寝坊をした。
早めに出かけるのに、困った。
大慌てで、支度をする。
こんなときでも、律儀に血圧測る私。
偉いっ!優良患者!
急いでいる割に、血圧正常値。
よし。
おなかが空いて、途中で具合悪くなったら大変だから、
とりあえず、簡単にカフェオレとシリアルとバナナとイチゴを口にする。
(結構マシな朝食かも)
さて、顔。
5分でできる、顔の始末。
そんなに化粧に時間をかけたことないし、技も、持ち合わせていない。
だから、適当。
まだそんなにお肌ボロボロじゃないから、適当でよし。
(退職してからの方が、お肌はきれいなんだよ~~。
収入を考えて、化粧品のレベルは下げたけど、たっぷり寝ているからね。
睡眠って、大事。)
マスク、するし。
ファンデを縫って、チークとしわ誤魔化し用の白い粉と黄色い粉。
ささっと塗って、あら、違和感。
そうだ、ファンデの後のお粉を忘れたのだった。
だから、チークの上から、お粉をはたく。
なにやってんだか。
まあ、何を塗っても、顔の造りは、変わらんし。
出先で知人に会うわけでもないし。
やっぱり5分で終了。
焦る。
着替える。
着ていくものは前夜決めてあったから、大丈夫。
着る順番を忘れるほどには、惚けてない。
ネックレスの後ろの金具に手間取った。
もう、ここの金具は、磁石ならいいのに。
腕時計。
気に入っているのが見つからない。
どこ行った、スヌーピー。
あ、これ、スヌーピーでも、大人っぽいもの。
黒革のベルトに、渋いシルバーの。
ハンカチの下から見つかって、OK。
自動巻きだから、止まっていたのをかしゃかしゃして、壁の時計と時刻合わせて。
出かけるぞ。
ブーツ、履く。紐を結ぶ。
あ、鍵忘れた。
紐をほどく。ブーツ、脱ぐ。
母がいなかったら、きっとブーツ履いたまま、玄関上がってたな。
鍵持って、歩数計持って、ブーツ履く。紐を結ぶ。
家を出る。
取り合えず、速足で駅へ向かう。
走って、体温上がり過ぎたら、蕁麻疹のお出ましになるかもしれないから、速足。
あ、用意してあった水分補給ボトル、台所に置いてきた。
もう、間に合わない。
駅で買おう。
信号で、ストップ。
踏切でストップ。
信号で、ストップ。
まったく、もう。
もうすぐ、駅に着く。
発車時刻にぎりぎりじゃないの。
仕方ない、走る。
あれ、走れる。
けっこうカラダ、元気になったのかも。
階段も、膝、痛くないし。
でも2階に改札口って駅、嫌い。
改札口は、1階がいいな~~。
改札抜けて、ホームに降りる。
なんか、へん。
電車遅れてるのかな。
ぎりぎり感が、ない。
息を切らしたオババは、座席に座って、呼吸を整える。
時間がかかる。
あんまりはあはあしてるの、みっともないかもと思い、
静かに呼吸を整える。
誰も見てないであろうことにも、こうして見栄をはるオババ。
なかなか出ない電車。
腕時計を見て、発車時刻を確かめる。
過ぎてるじゃん。
もう一度、駅のホームの時計を見る。
あら、駅の時計も遅れてる。
スマホを見る。
あれ、スマホも遅れてる。
電車も、駅の時計も、スマホも遅れてる。
そんなこと、あるわけない。
すすんでいたんだ、スヌーピー。
どうしたの、スヌーピー。
久しぶりに働いたから、進んじゃったの?
そうだった。
私の部屋の時計は、ちょっと、進んでいたんだった。
アバウト時間でのほほんと過ごしている、365連休中のオババの部屋には、
正確な時間は、必要なかった。
だから、だんだん、ずれてきた時刻を、ほっといた。
そうだった、そうだった。
もう、ちょっとじゃなくて、5分も進んでいたのね、知らないうちに。
なんだあ、余裕だったんじゃん、電車発車時刻まで。
まだ、5分も、あったんだ。
何のために、こんなに息を切らして、いるんだろ。
われながら、しみじみと、ばかだな~~と思って、目的地へ向かったのだった。
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