ツバキ文具店(小川糸 著)の中に、こんなことが書かれていた。
誰かに物をいただいた時、本当にすみませんと恐縮して謝るのが先代なら、笑顔でありがとうとお礼を言うのがスシ子おばさんだった。(62ページ)
あなたは、どちらですか?
頂く相手にもよりますよね。
この人からいただいてしまっては、と恐縮したり、
仲良しからだと、笑顔でありがとうとお礼が言えたり。
私はね、本質的には、恐縮型です。
頂いちゃって、悪いなあって思うことが多い。
ありがたいなあと思いながらも、気を遣わせて悪いなあと。
でも、相手が付き合いの長い友人だと、笑顔でありがとう型になれる。
友人に恐縮しちゃったら、かえって悪いような気がする。
かえって気を遣わせてしまうような気がする。
好意を無にしてしまう気がする。
だから、ちょっと心の中では恐縮していても、
それを表には出さないで、
笑顔でありがとうとお礼を言うようにしている。
だんだんと、笑顔でありがとう型になってきた。
これから先は、長い付き合いの友人のことね。
数人の友人がいるけれど、
笑顔でありがとう型の人。
恐縮型の人。
その中間で、読めない人。
そう、十人十色。
つき合っていて、楽なのは、もちろん
笑顔でありがとう型。
ほとんどの友人は、笑顔でありがとう型になっている。
心の内は知らないが、表面は笑顔でありがとう型。
わざわざお返しをしたりもしない。
そんな、気楽な付き合いになっている。
その中に、一人、いつまでたっても極度の恐縮型の人がいる。
もう、40年も前からのつきあいなのに。
これは、疲れる。
なんか、よそよそしくて、ヤダ。
他の人は、気楽に(表面上だけかもしれないけど)受けとるような
仲間内の、ささやかなお土産も、
恐縮し、気にし、次の時に、お返しをする。
疲れる。
いつまでも、ほんとには親しく感じてくれていないのかなあ、
なんて寂しくも思ってしまう。
え、私たちもお返しをしないといけないのかな?
と思ったり、
そんなことしたら、かえって悪いんじゃないか?
と思ったり。
疲れる。
ささやかなプレゼントの反応一つで、
ああだこうだと
心の中で考えてしまう自分は、
めんどくさいヤツだなあと思う。