今を去ること40年以上前の事。
高校の物理の時間だった。
その日は、ドップラー効果の学習をしていた。
物理がよくわからないコマッタちゃんの私。
でも、真面目だから一生懸命授業を受けていた。
こんなこと、将来の生活になんの役にも立たんだろ~~という言葉は呑み込んで。
先生の話が終わり、
次は実験みたいなことになった。
先生の机の周りに集まって、
先生が準備してくださった音源を聴く。
たしか、そんな展開だった。
先生がおもむろにスイッチをオン。
なにやら音が聞こえて去っていった。
「な、これがドップラー効果だ」という先生の声。
みんなわかったようなわからないような何とも言えない顔。
そのとき、しいんとした教室にやけ響いてしまった声が。
「気のせいじゃないの」
わぁ。だめだめ。それは言っちゃおしまいじゃん。
その声の主は、びっくりしたことに、私だった。
心の声を素直に出してしまったらしい、無意識のうちに。
気まずい空気の中、先生は、何度もその音源を聴かせてくださった。
もともと賢い優しい人たちの集まりは、その音源に深く納得した様子を表現したのであった。
その時、私は言えなかった。
「先生ごめんなさい」
お元気でいらっしゃるでしょうか。
ドップラー効果、やっぱりここまで生きてきて、
日常生活には何の役にも立たず、
入試に物理をとらなかったので、そこでも役に立たず。
でも、今日、ブログのネタで、役に立ちました。
そして、
あれ以来、独り言には配慮するようになりました。
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ありがとうございました。