病院に行った時の事。
その病院は、人気があって、いつも混んでいる。
待合室から人があふれて、
中には受付をすませてから自分の車の中で待つ人もいるくらいだ。
椅子に座れなくて、立って待たねばならないこともよくある。
先日も、そのように混んでいた。
私は、運よく、空いた椅子に座れたが、
目の前に、70代後半とお見受けする男性が、壁に寄りかかって立った。
これは、譲らなくちゃね。
「どうぞ、替わりますよ」
と声を掛けたが、その男性も遠慮なさって座らない。
病院での席の譲り合いは、微妙だ。
だって、みんな具合悪くて来てるんだから。
でも、その日は、私は立って待つ体力は十分あった。
その男性も、遠慮なさっているのと、譲られるのをよしとしない気持ちとがあるらしい。
もう一度、
「どうぞ、座ってください。私の方が、ちょっとだけ若いから」
そう声を掛けた。
そうしたら、その男性は、笑みを浮かべて、
「ちょっとだけね、ちょっとだけかあ」
そう言って、座ってくれた。
彼は、
「ちょっとだけ、若い」
の言葉が気に入ったようだった。
とてもいい笑顔を見せてくださったから。
「俺だってまだ若い。女に席を譲らせちゃかっこ悪い」なあんて思っていたのかなあ。
「ちょっとだけ、若い」
の言葉が気に入ったのは、そんなとこかな。
どう見ても、15歳は違うぞ ( ´艸`)
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