今日は、家のことをしようと思っていた。
それなりに、朝早起きをして、
さてどこから手を付けようかなあと、意気込みもあった。
やっと、やる気になったのだ。
こういう日が、チャンス。
9時になっても母が起きてこない。
なんだ、どうした、風邪が悪化したか。
寝息は聞こえるし、重症な感じじゃないから、寝かしておこうか。
さて、どうしよう。
考えているうちに起き出してきた母。
「耳が、よく聞こえない」
「クレヨンの声が、ぼんやりする」
「テレビの音量、いつもと同じ?」
え~~、なんじゃ、それ。
風邪の症状に、そんなのあったっけ。
聞こえが悪くなるって。
慌てて、調べる。
鼻と耳の通路に何か起きているらしい。
様子を見ることにするよ、とか言って、渋る母を、説得して、耳鼻科に行った。
混んでいた。
一時間待って、診てもらえた。
検査をして、鼓膜の奥にたまっている液を採ることになった。
聞いていると、痛そうだ~~。
見ていたら、長い注射器みたいなもので、吸い出していた。
その後、鼻からも、チューブを入れて、きれいにしてくれたようだ。
帰り道、
行ってよかった。
聞こえるようになった。
ぼうっと聞こえが悪いのは、気分が悪かった。
このまま聞こえなくなるんじゃないかと、実は心配だった。
いいお医者さんだった。
やはり、医者には行った方がよかった。
そんなことを話す母。
まったくもう、素直じゃないんだから。
無理やり、医者に連れて行ってよかった。
帰ってきたら、気分が良くなったらしく、
なにやらかにやら、動き回っていた。
「お風呂早く入って、夜のテレビを観る準備する」
とか言って、5時にお風呂に飛び込んで行った。
先のことを見通して、行動を決められるのは、まだ惚けてない証拠だと、
私は嬉しくなった。
病院に行くと、最初に、問診票を書かせられる。
服用している薬の名前なんか、母には書けない。
病院でも、薬局でも、私がめんどくさい問診票を書く。
それを、迷惑かけてすまないね、みたいな感じで見ている母。
別に、気にしなくていいのにねえ。
そのくらいのことしか、素人にはやってあげられないんだから。
あとは、お医者さんの出番なんだから。
いつもの通り、お医者さんへの症状の説明などは、
母に言ってもらう。
説明も、母に向かって、話していただく。
私は、後ろに控えている。
主体的に医者にかかるのが、大事だと思うから、
鬼娘は、必要最低限しか、手助けしない。
家に帰って、付き添いのご褒美に買ってもらったお寿司を
遅いお昼ごはんにいただく。
一日の予定が狂ってしまった私は、
午後、だらしなく、寝転がって読書をし、居眠りをし、今に至る。
お風呂場から聞こえる母のたてる水音が、安心させてくれる。
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