よい天気に誘われて、公園に花を見に出かけました。
母と二人、電車に乗ってのお出かけです。
駅の近くの公園で花を楽しんだ後、
駅に戻りました。
その駅で、母は働いていたことがあったそうです。
学校を出て、最初の職場。
まだ、10代の半ば。
10代の母は、その職場で一番年下で、
可愛がってもらったそうです。
ま、多少、いじわるもされたそうです。
公園から駅に戻ったのに、
母は足の調子がいいからもっと歩きたいと言い出しました。
それで、駅の近くの路地をぶらぶらと歩きました。
ここが、就職が決まったときに、おじいちゃん(母の父親)がスーツを作ってくれたお店。まだ、あったんだ。
ここは、旅館だった。ビジネスホテルになってるね。
あのお店もまだある。
あそこに同級生が住んでいたけど、公園になっちゃってる。
この木は、もっともっと大きかった。途中で折れちゃってるね。
この広い道は、昔は、狭くてくねくねした道だったのに、立派になっちゃって。
この辺りは、駅の土地だったから、お店に集金に行かされたよ。
こっちの化粧品屋さんは、昔は化粧品以外にも雑貨を売っていて、よく上の人にお使いに行かされたよ。
掃除のときに、上司に「さいはい、持ってこい」と言われ、さいはいってなんだかわからず、先輩に聴いても分からず、もう一度、聞きに行ったら、「はたきもわからんのか」ってはたきで頭叩かれたとか。
‥‥‥パワハラじゃん。「はたき」を「さいはい」って言うこと自体、時代錯誤じゃね?って私なら言いそうです。
この上司には、「だいもんぶくろを買って来い」ってお使いに出されたこともあるそうです。だいもんぶくろってなんだかわからない当時の母は、そのままお使いに行き、お店のおばちゃんに、「だいもんぶくろをください」って言ったら、「祝儀と不祝儀とどっち?」と言われて、ああその袋のことかってわかったとか。自分はものを知らない子供なんだなあと、反省したそうです。
‥‥‥でも、当時、そんな言い方したんでしょうか?代紋袋なんていう言い方。「さいはい」といい「代紋袋」といい、その上司、変な人だったんじゃない?反抗的になったろうなあ、私なら。
そんな話を聞きながらの散歩でした。
10代の母が、不安な気持ちで勤めはじめ、
せっかく雇ってもらえたのだからと、
やめるにやめられずの日々。
戦争中の食糧難で、
母の実家にお米を貰いに来た時には、
いつも無料で分けて差し上げたのに、
職場では意地の悪い上司もいたって。
悔しいから、お米を分けてあげるのをやめてとおばあちゃん(母の母)に言ったら、
職場の上司なんだから、お世話になっているのに変わりはないから、
そんなことできないって、言われたとか。
‥‥‥私なら、そんな上司にコメはやらん。
途中の路地裏の小さな雑貨屋さんで、
ささやかなお買い物もしました。
Tシャツと、ミニスカーフで、980円。
激安です。
そのお店では、
疲れたらその椅子で休んでもらっていいですよ、
って親切にしていただきました。
いい街だなあって思いました。
今日は口げんかもなく、
若い頃の思い出に浸る母の言葉を
素直に聴けた日でした。
花もきれいでしたが、
そのあとの散歩が、
とてもいい時間でした。
本日も、長々とおしゃべりを聞いてくださり、ありがとうございました。
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ありがとうございました。