昔の職場の人たちの集まりの会があった。
毎年行っているこの会。
もうすぐ、20年になる。
女性ばかりの気楽な会で、15人前後集まる。
80歳近くの大先輩もお元気で、ボランティア活動の会を仕切っていらっしゃる。
その下の大先輩も、海外旅行を楽しんでいらっしゃるし。
もう御一方も、最近古典を読む講座で勉強を始めたとか。
皆様、元気な70代である。
60代の自分は、虚弱体質でへなちょこなんだなあと、ちょっぴりへこんだ。
でも、あの方たちのように、元気で頑張って生活も楽しんでいらっしゃるのを
見られるのも、よい刺激。
現役世代は、少々お疲れ気味であった。
早く退職して、こっちの世界においで、と誘っておいた。
さて、この会に行く前に、こんなことがあった。
電車でお出かけだし、
二年ぶりに会うのだし(去年は伊勢さんのライブと重なって欠席)
みんなおしゃれしてくるし。
と一応気合が入った私。
おしゃれな服は持ち合わせていないので、
大好きな白シャツに細身に見える黒パンツ。
薄い黄緑色のスカーフ?ストール?(よくわからないが長方形の布)をして、
お気に入りの革リュックで出かけた。
化粧も、いつもより真面目なファンデを塗ったし。
会場最寄りの駅に着き、トイレに入った。
手を洗って鏡を見ると、
そこには、ぱさぱさ髪の女がいた。
すごい。
ぱっさぱさ。
短い毛が好き勝手にはねて毛先がきたない。
なんじゃ、こりゃ~~。
老女じゃん、この頭。
そうだった。
昨夜使ったリンスインシャンプー。
母が、「片付けたらこんなの出てきた」って出してきた、一昨年のシャンプー。
それ、使ったんだった。
汚れは落ちたのでしょうが、艶がない。
ぱさつき放題。
こんな頭して電車に乗って来ちゃったのかあ、とがっかり。
そして、
こんな頭では、今日の会に出席できないっ!!と気が付いた。
みっともなくって、行けない。
行けませんとも。
私は見栄っ張りだもん。
おしゃれな皆様に恥ずかしい。
そうだ、コンビニになら、髪のつや出しスプレー、あるかも。
とひらめいた。
しかぁし、
なんということだ。
駅近にコンビニがない。
田舎だからなあ。
駅の売店風のところがあったけど、食品中心だった。
大ピンチである。
コンビニがないんだもの、化粧品店なんて、当然、ない。
駅前商店街ってものが、ない。
なんてとこで、食事会するんだ~~~。
時間はあったが、店がない。
帰っちゃおうかな。
急に、おなかが痛くなったことにすればいいんだ。
でも、ドタキャンで、ご迷惑だよなあ。
辺りを見回すと、
プールがある。
え、プールって、
もしかして、
コンビニ入っているかも。
プールに用がある風体ではなかったが、
入っていくと、
ちっちゃなお店があった。
水着売ってる。
水泳帽売ってる。
お菓子も売ってる。
シャンプーも、リンスも売ってる。
しかし、つや出しスプレーは、ない。
あるわけないよなあ。
もう、何でもいいから、油分のあるものならいい。
「すみません、ハンドクリーム、置いてませんか」
すごいだろ~~。
髪に、ハンドクリーム、塗っちゃおって思ったんだよ。
私って、ひらめきがいいでしょ。
「置いてないです」
「そうですか、残念。
実はね、これから食事会に行くのに、髪がぱさぱさなのに気が付いてしまったの。
だから、ハンドクリームでも塗っちゃおうかなって」
「ハンドクリーム、ありますよ」
(さっき、ないって言ったじゃん?!)
彼女が出してきたのは、ポンプ式の大きいハンドクリーム。
「これでは、大きすぎて、困ります」
と言ったら、
「いやいや、これ、この職場でみんなで使ってるの。
どうぞ、一押し、使ってください」
なんて、
なんて、親切なのでしょう。
ありがたく使わせていただきました。
「大丈夫よ、さわらなければ、わからないし。
匂いも、すぐ飛んでいくわよ」
そう言ってくださった。
ハンドクリームを、
髪に塗り塗りしながら、
道を急いで会場に行った。
ほんとうに、親切な方のおかげで、
気持ちよく食事会に参加でき、
感謝感謝です。
これからは、古いシャンプー使わない。
これからは、リンスインシャンプーの後でもリンス使う。(トシだから)
これからは、出かける前に、明るいところで髪もチェックする。
以上。
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