本を守ろうとする猫の話
夏川草介 著
2017年2月5日発行
神様のカルテの作者です。
主人公は、夏木林太郎。祖父と二人暮らしだったが、祖父が亡くなり
祖父の経営していた古書店に一人残された。
そこに、不思議な猫が現れて‥‥‥
本について、読書について、出版についていろいろと考えさせる内容でした。
最初は、なんだかな~~ってちょっと思ってしまったのですが、
よく読むと深いことを言っている本でした。
自分の読書についての姿勢がはどうかなあと考えた時、ちょっと背筋が伸びました。
本をため込んで満足したり、ただ読むだけで終わったり、
あらすじや要約で読んだつもりになったり。
読みたい本がいっぱいあるので、最近は、ついつい筋を追って行間を楽しむのを忘れていました。
そんな読み方でなく、本はちゃんと読んで、自分に生かしたいと思いました。
読書に対する考えかたに刺激を受けました。
下に、心に響いた部分のほんの少しを書きました。
共感するところがあれば、ぜひ、本を読んでくださいね。
47ページ
たくさんの本を読むことはよい。けれども勘違いしてはいけないことがある。
本には大きな力がある。けれどもそれは、あくまで本の力であって、お前の力ではない。
ただがむしゃらに本を読めば、その分だけ見える世界が広がるわけではない。それほど多くの知識を詰め込んでも、お前が自分の頭で考え、自分の足で歩かなければ、すべては空虚な借り物ででかないのだよ。
自分の足で歩くことを忘れた本読みは、古びた知識で膨らんだ百科事典のようなものだ。
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