買い物に出かけるときに、母に頼まれたものがある。
「このブローチをもっと作るから、同じような安全ピンを買ってきて。
色は、この色ね」
そう言われて、手作りのブローチを渡された。
どんぐりの帽子を利用して小さな色どんぐりができていた。
それが5粒、まとめて安全ピンに留めてある。
安全ピンの色は、ブロンズ色。
自分の買い物散歩の途中に手芸用品を売っているお店は大小合わせて4軒ある。
どこかにあるでしょうと出かけた。
ブローチは、母の言う通り、布バッグにつけて、出発。
途中の踏切で、気が付いた。
ありゃ、安全ピンしか残っていないじゃない。
色どんぐりはどこに落としたのだろう。
やっちゃった~~、かわいい色合わせのブローチだったのになあ。
1軒めのお店では、扱っていなかった。
2軒めのお店でも、扱っていなかった。
3軒めも、アウト。
家に電話した。
「これ、どこで買ったの?」
「ああ、100均」
ええぇぇ~~、手芸屋さんに行くから何かあるかって聞いたら、
これ買ってきてって言ったんだもの、
手芸屋さんで買ったと思うじゃない。
100均だったのか。
「じゃ、どこの100均?」
「え~~とねえ、〇〇の隣の100均」
「どこ、それ?100均って言ったっていろいろあるんだから」
電話するまで、私は、100均を、2軒通り過ぎてきた。
よくよく聞いたら、母が買ったという100均の同じチェーン店がこれから先にある。
よかった、間に合った。
その100均に寄って無事に買えました。
残り1個だったから、ぎりぎりセーフ。
ラッキーだったなあ。
さて、落としてしまったブローチ。
気になる。
夜一所懸命作っていたの見ているから、
なくしたことは許してくれるけどがっかりはするだろうなあ。
と予想がつく。
そう思って、帰り道、めちゃくちゃ遠回りして、
ブローチをなくしたことに気が付いたところから、
家までの道を歩くことにした。
目を下に向けて怪しげな歩き方。
前かがみは、ぎっくり背中によくないのになあ。
そうして、見つけたのは、家から100歩も離れていないところの
道端。
見つかったよ、よかったよかった。
つぶれていないし。
し・か・し・・・・
こんなに早く落としたってこと。
ダメじゃないの、耐久性、ゼロじゃないの。
家に帰って、ブローチを落としたことと、
探して拾ってきたことを話すと、
まあ、母は、それなりに、探してきたことに感激はしていた。
まったく、もうっ!!
「母さん、これ、しばっただけじゃなくて、結び目にボンド、よろしく」
って、偉そうに注文してしまった。
頑張って、これから作るものは、ちゃんとボンドで留めるらしい。
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
お帰りに、応援のクリックをしていただけると、更新の励みになります。