電車の中の出来事です。
私は席に座っていました。
ある駅で乗り込んできたおばちゃん団体が、おしゃべり団体で。
うるさいったらありゃしない。
音声拡大器がもれなくついているのでしょうか。
立っている人もいっぱいいるなかで、
我が物顔のおしゃべり。
嫌だなあ。隣の人と静かに話せばよいのに、なぜ、ぜグループ全体に話しかけるのでしょうねえ。
今時、学生だって、静か。
まあ、みんなスマホ見ているからね。
私の席の右側が空きました。
ドスンと座ったのは、おしゃべりのリーダー格の方。
おいおい、ドスンはないでしょ。
こんなにぶつかったら、おしゃべりし続けるよりも、
一言、すみません、とか言ったらどうなの。
私だったら言うよ。
次の駅。
私の左側が空きました。
空いた席の前には、中年男性が立っています。
当然、私が、その男性だったら、座ります。
仕事帰りで疲れているし、目の前の席が空いたのですから。
だが、しかし、私の右隣にさっき座ったドスンおばさんは、
聞こえよがしに言いました。
自分の前に立っている彼女の仲間に、言いました。
「席をずれてもらったら」
え?
何?
それは、もしかして、
私に左の空いている席にスライドせよと言っているの?
私がスライドしたら、空いた席の前の男性が座れないじゃないの。
この空席は、目の前の男性に、着席権があると私は思う。
ドスンおばさんの作戦は、ずるいと思う。
でも、ありがちでもある。
よく見かけるもん、いい年してるのに、人を圧力でどかして、無理やり隣の席に座りたがるおばさん連中。
こういう図々しさが、大嫌い。
だから、聞こえないふりをしました。
ちゃんと、私に向かって、席をずれてとも言われていないし。
私は文庫を読み続ける。
ものすごく気が利かないおばちゃんとして、黙って読み続ける。
男性に、あなたも疲れているのでしょ、座ったらいいのに。
と思いながら。
立っている男性が言いました。
ドスンおばさんのお連れの方に、
「そうぞ」
って言いました。
ドスンおばさんの、お連れの方は、さっさと座りました。
おい、ちょっと遠慮とか、しろよ。
私を挟んでのおしゃべり。
まったく、もう。
ぜったいに、ぜぇったいに、席かわらないよ、私は。
このずうずうしいおばさん団体。
しかし、
端から見れば、私も、この人たちと一緒の団体構成員。
世の中の、ずうずうしいおばさん団体の構成員。
いやだなあ。
電車の中のエチケット、どうしたらおばさん連にご理解いただけるのか、
同じおばさんなのに、わかりません。
念のための付け足しますけれど、
普段、空席があちこちにあって、
お連れさんと別々に座ろうとした人たちに気が付けば、
私は自ら席を替わってさしあげています。
当たり前でしょ、そんなこと。
お立ち寄りいただき、ありがとうございます。
お帰りに、応援のクリックをしていただけると、更新の励みになります。