母が、今、散歩に出かけた。
気分が下向きらしい。
胸やけもしてると言う。
やっていた手芸を放り出して、出かけた。
もっと下向きの時は、どうしようもないが、
散歩して気晴らしになる程度の、下向き加減。
もちろん、私に、「ついてきて」「一緒に行って」とは、言わない。
母は、そういう頼み事は嫌いなのだ。
普段は、食材の買い物が散歩替わり。
今日は、昨日たくさん買ったので、買い求める食材がないから、ただの散歩になったようだ。
我が母ながら、この、「一人でできることは、ひとりでする」という強い意思は、さすがだと思う。
さすがの昭和ヒトケタだ。
歩けなくなるのは嫌だ。
また、バス旅行行きたい。
そう言う。
肩の骨折も、どうやら、よくなったようだ。
腰も脚も痛いけど、
「痛いからって、動かなかったら、動けなくなる」
と、散歩に行った。
先日買った靴が、たいそうお気に入りで、今日も履いて行った。
杖は、花柄。
足首の出る丈のパンツを穿いて出かけた。
首には、濃いピンクの薄いスヌード。
私も、母の年になってもああして散歩に出かけられたらいいなあ。
追記
思いのほか、早く帰って来た。
玄関まで迎えに出てしまった。
気分は、晴れたらしい。
あちこち、いつも歩かない道を歩き、なにやらお買い物もできたよう。
機嫌が良さそうなので、言ってみた。
「母さん、今度、名札作ってあげようか。
『徘徊中ではありません』っていうの、どう?」
母は、ははっと笑顔を返してくれた。
「お茶にしましょ~~。」
茶の間から声が聞こえたので、行かなくちゃ。
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