以前もブログに書いた話題なんですけれど、ちょっと心境の変化があったので、
また書いてみようと思います。
母と病院に行くたびに、いつも思っていた。
ねえ、その話、何回も聞いたよ。
その情報、いらないから。
前話したこと、忘れちゃってるのか?
それはそれで、心配だよ。
このうちの人と若い頃はいっしょにダンス習ってたんだよ。
この家のご主人は、お父さんと同じ会社だったの。
この店は、前は、〇〇だったんだよ。
息子さんは、どこどこに勤めているんだよ。
お孫さんは、学校の先生なんだってさ。
最近具合悪くて、出て歩けなくなってきたんだって。
耳タコ~~~。
知らない人の近況なんて、どうでもいいし。
だから、いつも聞き流していた。
私の不愛想な相槌で、気が付かないのかなあ、聴く気がないことを。
病院で、母は、先生に言った。
「最近、ちょっと前のことを忘れちゃったりするんです」
お友だちに、母は言っていた。
「娘に、それこの前も聞いたって言われちゃう」
最近、自分の体調が戻ったので、
ほんの少し優しくできるようになった私は、反省した。
繰り返し繰り返し、どうでもいいことを言うのを、
聞き流していたら、ダメなんじゃないか。
せっかく母が話しているんだから、
気持ちよく話せるようにしてあげなくてはいけないいんじゃないか。
どうせ聞かされるのなら、お互いに気持ちよい方がいい。
じゃあどうするか。
そうよ、質問すればいいんだ。
うまく質問したら、会話は広がる。
そうしたら、繰り返しの飽きた会話が、いくらかでもマシになるんじゃなかろうか。
積極的な「聴く」姿勢は、「質問」なんじゃないか。
病院からの帰り道、
またいつもの話が始まった。
私は、ふうん、という気のない返事をやめた。
それ、何年くらい前の話?
その人、今、どうしているのかなあ。
その人は、どこの出身なの。
その人の、お子さんも、遊びに来るのかなあ。
お母さんと気があったの。
ダンスは、どんなダンスが得意なの。
この前より、ハナミズキが咲いているねえ。
白とピンクと、どっちが好き?
等々、母の話が広がるように、ホントは興味ないけど、
あれこれ質問してみた。
いつもの聞き流しより、聞いていても楽しかった。
話している母の、情景描写も、詳しくなってきた。
思い出しながら話していて、本人も楽しそうで懐かしそうで。
話を広げると、こんなにいいんだなって。
今さらながらに、今までの、ふう~~ん、を反省し。
後悔し。
よし、これから私がつけるべき力は、「質問力」
話を広げると、母のボケ防止にもなるし。
私の暇つぶしにもなるし。
一挙両得じゃないの。
同じ質問したって、忘れてるから、大丈夫だし(へへ、手抜き質問)。
何回も繰り返した病院への行き帰りの散歩道。
今まで、ごめんなさい。
これからは、前より、ちょっと、楽しい道になる。
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