先日、母の病院にゆく途中のことでした。
いつもの道をとことこ歩いてゆきました。
小雨のなか、このくらいの雨なら、傘は面倒だなあ、でも風邪ひいたら今は病院にも入れてもらえないから、傘さそうかなあ、とか思いながら。
前を歩くお母さんが押しているベビーカーの中の赤ちゃんは濡れないかしら、なんて大きなお世話を頭の中でしながら。
ふと、車道の端っこに落ちている封書を見つけてしまいました。
もう、少し濡れてる。
そして、轢かれてる。気の毒に。
見なかったことにして、行っちゃおうかなあ、と、ちらっと思ってしまった情けない私。
まあ、でも、見てしまったものは、拾ってあげるしかないか。
今時、道に落ちているものを素手で拾うのは抵抗あるんですけど。
大事な手紙だったら気の毒だものね。
拾い上げました。
昨日の消印。
あて名の住所は、この近くのよう。
でも、周りの家やビルを見ても、その住所がどこだか、よくわからない。
ご近所でなくて、病院への道だから、よく周りのことがわかってないのでした。
これは、どんな状況で、ここに落とされたのかしら。
消印が押してあるってことは、郵便局が受け付けたってことだよなあ。
切手じゃなくて、郵便局で重さを計ってもらってお金を支払って、ぺたっと貼るシールみたいなものが貼ってあるし。
開封されてないし。
受け取った人が、持ち歩いていて、落としたのかな。
まさか、配達前の郵便物?
それは、まずいんじゃないかしら。
大人だから、ちゃんとどうにかしなくちゃね。
こういう場合は、ポストに入れてあげればいいんですよね。
落とし物だから、交番に届けるのか???
いや、ポストでいいはず。
きょろきょろと病院に向かう道すがら、ポストを探しましたが、見当たりません。
探すとないものなんだな、ポストって。
ボケてるから見逃したのかもしれないけど。
どうする????
病院に着いちゃった。
そして、病院の向こうの方を見ると、小さい郵便局が見えるじゃありませんか。
ありゃ、あんなところに郵便局。
郵便局のほうがポストより先に見つかるなんてね。
お医者さんとの約束の時間にはまだ少し余裕があったので、先に郵便局に行きました。
「落ちてました、ポスト見つからなかったから、持ってきました」
と、お渡しして、ほっと一息。
郵便局の方々は、封書の表を見ながら、不思議そうな顔をなさっていました。
そりゃそうだ、もしかしたら、配達途中のものかもしれないものね。
でも、その郵便物は、運よく拾われて、ちゃんと届くということで、めでたしめでたし。
病院について、面談のことを受付に伝え、
「ちょっと早くついてしまったので、待ちますけど。」
と言ったら、受付の方はけげんな顔をするではありませんか。
???
ありゃ、病院の壁の時計を見れば、約束の時間、ぎりぎり。
ちょっと早いなんてことはなく、社会人としての5分前行動の精神からしたら、遅刻じゃん。
自分の腕時計を見る。
だめじゃん、私の時計。
勝手にお休みしてる。
久しぶりに働いたので、疲れたか、私の腕時計。
自動巻き、なんだけど、自動休みになっちゃってました。
急に腕をぶんぶん振る私を、「へんなばあさんだ」って、きっと思ったろうなあ、受付の人。
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